凡例
- 当ページは戦国時代の史料でよく用いられる用語のうち、「あ」で始まる単語を扱ったものである。
- 当サイトで用語辞典を扱う目的は、主に当サイト上の「織田信長の年表」ページに掲載する翻刻の内容を理解しやすくするためのものである。
従って、一般的な古語辞書とは異なり、簡便な内容に留めている。 - 見出し語は便宜上、現代仮名遣いで記す。
例えば「越度」は「をちど」ではなく「おちど」とするため、「お」の項で扱う。 - 用例は原則として新字体で記す。
- 史料は充て字や異体字、方言など非常に多岐に渡るため、全てを記すことは困難である。
従って当サイトの判断で、便宜上記すものとそうでないものを区別するものとする。 - 例文は個人的に好例と判断したものを選んだため、時代や地域に偏りがある。
- 中には当サイトの不勉強による誤った解釈や読み下しもあるため、参考程度に留めていただきたい。
- 必要に応じて削除し、また加筆・修正を加えるものとする。
天気・・・てんき
意味
①空模様。天候の具合
②天皇の気色。天皇のご機嫌。
例文 『経元卿御教書案』(永禄十一)九月十四日付正親町天皇綸旨
入洛之由既達叡聞、就其京都之儀、諸勢無乱逆之様可被加下知、於禁中陣下者、可令召進警固之旨、依天気執達如件、
(書き下し文)
入洛の由すでに叡聞に達す。
それに就きて京都の儀、諸勢乱逆無きの様に下知を加えらるべし。
禁中陣下に於いては、警固を召し進らしむべきの旨、天気に依って執達くだんの如し。
備考
古くは、呉音読みで「てんけ」。
我が国では近代になるまで撥音表記が未発達だったため、「てけ」・「ていけ」など表記が安定しない。
②の場合
「天」とは天皇の意思。
「気」とは気色・機嫌を指す。
つまり、天皇の本意・本心のことで、綸旨など天皇の意図を汲んで発給される奉書形式の文書において、書留部分に「天気如此(てんきかくのごとし)」「天気執達如件(てんきしったつくだんのごとし)」「天気所候也(てんきそうろうところなり)」などと記される。
いずれも「天皇はこのようにお達しである」という意味である。

『越前島津家旧蔵文書(後醍醐天皇綸旨)』釈文
(書き下し文)
播磨国下揖保東方地頭職、周防又五郎入道覚善に当知行し、相違有るべからず。
てえれば天気かくのごとし。これをつくせ。以て状す(以下略)

