戦国の古文書解読よく出る語彙・単語編 五十音順「ま」~「ん」

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古文書解読の基本的な事 よく出る単語編 五十音順「ま」~「ん」

 戦国時代の古文書で、非常によく出る語彙のみを選出しまとめました。
今後もさらに加筆する予定です。

  1. 「ま」行
      1. 進せ・参せ・まゐらせ・・・まいらせ
      2. 任・・・まかせる、まかせ、にん
      3. 寔・誠・・・まことに
      4. 間敷・・・まじく、まじき
      5. 末代・・・まつだい
      6. 守・・・まもる、まもり、~(の)かみ
      1. 右条々・・・みぎのじょうじょう
      2. 御教書・・・みぎょうしょ・みきょうじょ
      3. 砌・・・みぎり
      4. 可御心易候・可御心安候・・・みこころやすかるべくそうろう
      5. 猥、猥ニ・・・みだりに
      6. 名請人・・・みょううけにん・なうけにん
      7. 名代・・・みょうだい
      1. 虫気・・・むしけ
      2. 六ケ敷・六ケ舗・・・むつかしき、むつかしく
      3. 空敷・・・むなしく、むなしき
      4. 棟別・棟別銭・・・むなべつ・むなべつせん
      5. 謀反、謀叛・・・むほん
      6. 邑、邨・・・むら
      1. 銘々・・・めいめい
      2. 召置・・・めしおく・めしおき
      3. 目安・・・めやす
      4. 面目・・・めんぼく
      1. 儲・・・もうけ
      2. 申上・・・もうしあげ
      3. 可被申上・・・もうしあげらるべし(べき)
      4. 申入・・・もうしいれ
      5. 申付・・・もうしつけ・もうしつく・もうしつくる
      6. 申談・・・もうしだんじ・もうしだんずる
      7. 申出・・・もうしで
      8. 乍申・・・もうしながら
      9. 申述・申展・申伸・・・もうしのべる・もうしのぶ
      10. 被申・・・もうされ・もうさる
      11. 申被・・・もうしひらく・もうしひらき
      12. 申旧・・・もうしふり
      13. 若・・・もし
      14. 不用者・・・もちいざるもの・もちいざるは
      15. 以・・・もって
      16. 尤・・・もっとも
      17. 諸々・・・もろもろ
      18. 門跡・・・もんぜき
  2. 「や」行
      1. 哉・・・や、かな
      2. 軈・軈而・・・やがて
      3. 輩・・・やから、ともがら
      4. 族・・・やから
      5. 役者・・・やくもの
      6. 矢銭・・・やせん
      7. 不得止・・・やむをえず
      1. 床敷・・・ゆかしい・ゆかしく
      2. 努々・・・ゆめゆめ
      1. 用捨・・・ようしゃ
      2. 様躰・様体・・・ようだい
      3. 漸・・・ようやく
      4. 能・・・よく、よき、あたう
      5. 能々・・・よくよく
      6. 由・・・よし
      7. 誼・・・よしみ
      8. 仍・・・よって
      9. 仍如件、仍状如件・・・よってくだんのごとし・よってじょうくだんのごとし
      10. 仍執達如件・・・よってしったつくだんのごとし
      11. 自、従、依・・・より
      12. 無拠、無據・・・よんどころなく
  3. 「ら」行
      1. 礼紙・・・らいし
      2. 落居・落去・・・らっきょ
      3. 被・・・られ・らる・~なされ・~なさる
      4. 乱妨・・・らんぼう
      1. 理運・利運・・・りうん
      2. 利平・・・りへい
      3. 了簡・・・りょうけん
      4. 聊爾・・・りょうじ
      5. 綸旨・・・りんじ
      1. 流落・・・るらく
      1. 狼藉・・・ろうぜき
      2. 論所・・・ろんしょ
  4. 「わ」行
      1. 脇付・・・わきづけ
      2. 態・態与・・・わざと
      3. 態令啓候・態令啓達候・・・わざとけいせしめそうろう・わざとけいたつせしめそうろう
      4. 蟠・・・わだかまる、わだかまり
      5. 詫言・・・わびごと
      6. 我等式・・・われらしき
      1. 无・畢・訖・・・ん・おわんぬ

「ま」行

進せ・参せ・まゐらせ・・・まいらせ

(意味)相手を尊敬して、書簡や贈り物を差し上げること。
書簡の脇付(わきづけ)として記される場合は、先方に敬意を払った丁重なものとなる。

 (備考)「進之候」とある場合は、之(これを)進(まいらせ)候(そうろう)。
書簡や贈り物を差し上げる際に頻繁に用いられる用語である。
“まいらせ”が動詞のため、返読する場合が多い。

任・・・まかせる、まかせ、にん

(意味)任せる

寔・誠・・・まことに

(意味)今日よく用いられる「誠に」と同じ

間敷・・・まじく、まじき

(意味)あってはならないこと、禁止すること

 (備考)「致間敷候」だと”いたすまじくそうろう”=~してはいけませんとなる

末代・・・まつだい

(意味)のちの世、後世。

 (備考)「於末代」は”まつだいにおいて”

守・・・まもる、まもり、~(の)かみ

(意味)守る。または受領名ずりょうめい

右条々・・・みぎのじょうじょう

(意味)条々と同じ意味。禁制きんぜいやお触書など、身分が下の者に対して用いられることが多い

御教書・・・みぎょうしょ・みきょうじょ

(意味)
三位以上の官位を有する貴人の意図を汲んで、その家の家臣が奉書形式で発給する文書のこと。
武家様式にあっては、位階に関係なく将軍の命を受けた奉書形式のもの、あるいは直状形式のものも広く御教書と呼ばれる。

奉書形式をとる御教書のうち、その仰せの主体によってさまざまな名称で呼ばれる。
天皇の仰せの場合は「綸旨(りんじ)」、上皇や法皇の仰せの場合は「院宣(いんぜん)」、皇太子・三后・親王・准三后の仰せは「令旨(りょうじ)」、摂政の仰せで綸旨に代わる効力を持つものはは「摂政御教書」、摂政・関白の個人的な仰せの場合は「殿下御教書」、藤原氏・源氏などの氏長者の仰せの場合は「長者宣」、知行国主(国司)の仰せは「国宣」、検非違使別当の仰せは「検非違使別当宣」、各公卿の仰せは「某御教書」、別当・座主の仰せは「某長者」、各寺院の長者などの仰せは「御教書」など。

これらの御教書は、もともとは私的な意味合いで発給する私文書であったが、手続きの簡便さから、やがて公文書の意味合いを帯びるようになり、最後には国家最高の決定を伝える文書となった。
戦国大名が領国支配のために判物印判状を用いて発給する文書形式も、広い意味で御教書と捉えることもできるだろう。

 (備考)
もとは大陸の唐から伝わった親王・内親王の命令を伝達する文書が「教」であったが、日本では三位以上の人の仰せを「教」と呼ぶようになり、その文書を「教書」、さらに敬語の「御」がついて「御教書」となった。
日本では10世紀後半ごろから使われ出したといわれる。

御教書に多い書札形式は、初行から要件たる本文を書き始め、本文の次行に日付、その下(日下にっか)に差出書、さらに日付の次行の上に宛書を記し、最後に封を加えるものである。

※本項の大部分は瀬野精一郎(2018)『花押・印章図典』を参照

砌・・・みぎり

(意味)~の際、~のときに

 (備考)「御上洛之砌」だと”ごじょうらくのみぎり”となる

可御心易候・可御心安候・・・みこころやすかるべくそうろう

(意味)ご安心ください

 (備考)以下の例は信玄が元亀3年(1572)10月1日に朝倉義景へ宛てた書状写より。『南行雑録』
「信玄者今朔日打出候、可御心安候、」
 (信玄は今一日打ち出で候。御心安かるべく候)
などと表現する。

猥、猥ニ・・・みだりに

(意味)むやみやたらに

名請人・・・みょううけにん・なうけにん

(意味)年貢納入者。
戦国期における名請人(みょううけにん)は、年貢や夫役(ぶやく)などの諸公事(くじ)を担うことで身分と土地の所有を認められた。
一方、年貢取得者のことを「給人(きゅうにん)」と呼んだ。
江戸期に入ると検地帳に登記した人物が名請人(なうけにん)(※あるいは高請人(たかうけにん)・竿請人(さおうけにん)とも呼ぶ)となり、一筆ごとに確立された分米ぶんまいの供出を担った。

名代・・・みょうだい

(意味)人の代理を務めること

虫気・・・むしけ

(意味)腹痛・不眠・癇癪などの症状を指す。

六ケ敷・六ケ舗・・・むつかしき、むつかしく

(意味)難しいこと

空敷・・・むなしく、むなしき

(意味)形容詞「空しい」の連用形、または連体形

棟別・棟別銭・・・むなべつ・むなべつせん

(意味)
家屋の棟をもととする家屋税。
棟数に応じて臨時に賦課(ふか)したもの。
もとは朝廷や寺社の修理費などを捻出するためのものであったが、室町時代後期あたりから頻繁に賦課するようになり、次第に恒久的なものとなった。
戦国時代に入ると各地の大名・国衆も、その領国内に棟別銭を課した。

謀反、謀叛・・・むほん

(意味)主君に背いて兵を挙げること

邑、邨・・・むら

(意味)村、村落のこと

銘々・・・めいめい

(意味)それぞれ

召置・・・めしおく・めしおき

(意味)臣下として召しかかえる、お召し取りになる

 (備考)「被召置」は”めしおかれ”

目安・・・めやす

(意味)訴状、訴え

面目・・・めんぼく

(意味)世間の人に合わせる顔。体面。体裁

儲・・・もうけ

(意味)在京の貴人が熊野や伊勢神宮等を参詣する際に、これらを馳走し饗応する行いのこと。

 (備考)中央の権力者の接待は、設営する側の義務であったが、同時に大きな利権を生む場でもあった。
その「儲」をどの家が行うかを巡ってたびたび訴訟が起き、北畠家・土岐両家の相論のように、時には家同士で激しく対立する場合もあった。

申上・・・もうしあげ

(意味)言上すること

 (備考)「不及申上」は”もうしあげるにおよばず”となる。
文脈により「可申上(もうしあぐべく)」など多少変化する。

可被申上・・・もうしあげらるべし(べき)

(意味)申し上げられて当然、報告があって当然であること

申入・・・もうしいれ

(意味)希望や意見、要求などを相手方に伝える。

 (備考)「申上」が謙譲ならば「申入」は対等な立場。

申付・・・もうしつけ・もうしつく・もうしつくる

(意味)言いつける。命じる。

申談・・・もうしだんじ・もうしだんずる

(意味)話し合う

申出・・・もうしで

(意味)申し出ること

乍申・・・もうしながら

(意味)~と言いながら、~と申しておきながら

申述・申展・申伸・・・もうしのべる・もうしのぶ

(意味)申し述べること

 (備考)
例文)

委曲上野法眼可申伸候間抛筆候也、穴賢、
 委曲上野法眼(下間頼充)申し述ぶべく候間、筆をなげうち候也なり。あなかしく。)
   『(元亀三年)六月三十日付顕如上人御書札案留』

必従是可申展之条、抛筆候、恐々謹言、
 (必ずこれより申し述ぶべきの条、筆をなげうち候。恐々謹言
   『(天正元年)十二月二十八日付織田信長朱印状(仙台博物館所蔵文書)』

関連記事:「戦国時代の印象外交と政治的な大言壮語」織田信長の書状から見てみよう

被申・・・もうされ・もうさる

(意味)仰せになること

申被・・・もうしひらく・もうしひらき

(意味)
説明すること。申し開くこと。弁解すること。

申旧・・・もうしふり

(意味)
過去に申したように。

 (備考)
旧の旧字が”舊”のため、「申舊」と記される場合もある。

若・・・もし

(意味)仮に、もしそうであるからには、

 (備考)今日でも「若しくは」と表記される場合があるのは昔の名残

不用者・・・もちいざるもの・もちいざるは

(意味)用のない者、取り立ててない者

 (備考)禁制(きんぜい)やお触れなど、一般民を出入りさせないときなどによく用いられる

以・・・もって

(意味)前提を示す。~をもって

 (備考)「猶以」(なおもって)「甚以」(はなはだもって)などもよく用いられる。

尤・・・もっとも

(意味)道理に、ただし

諸々・・・もろもろ

(意味)多くのもの、いろいろのもの、さまざまのもの

門跡・・・もんぜき

(意味)皇族・貴族の子弟が出家して、入室している寺格のある寺院。あるいはその人。

「や」行

哉・・・や、かな

(意味)~かな、~か?といった疑問詞、時々反語としても

軈・軈而・・・やがて

(意味)まもなく、そのうちに

輩・・・やから、ともがら

(意味)仲間、集団、輩、連中

 (備考)掟書などではよく登場する

族・・・やから

(意味)輩、連中、仲間、集団

役者・・・やくもの

(意味)役目に当たる者。奉行人を指す。

矢銭・・・やせん

(意味)権力者が一般庶民に軍用として課した金のこと。
反別銭(段別・段銭・田銭)棟別銭とほぼ同意。

 (備考)名の由来は「矢の費用」であることから。

不得止・・・やむをえず

(意味)しかたなく

床敷・・・ゆかしい・ゆかしく

(意味)慕わしい。懐かしい
御床敷(おゆかしく)も参照されたい。

努々・・・ゆめゆめ

(意味)万が一にも

用捨・・・ようしゃ

(意味)お許し。控えめにすること。手加減すること。採用することとしないこと。

 (備考)「令用捨候」は”ようしゃせしめそうろう”

様躰・様体・・・ようだい

(意味)①姿や形②物事の有り様

漸・・・ようやく

(意味)段々と。少し

能・・・よく、よき、あたう

(意味)良く、上手く、~できる(可能の意を表す)

 (備考)「不可能」ならば”あたうべからず”あるいは”あたうべからざる”

能々・・・よくよく

(意味)十分に

由・・・よし

(意味)~とのこと(伝聞) 一連の事がらを一括りにまとめる

 (備考)「~の由候」ならば”~だと聞いている”

誼・・・よしみ

(意味)親しく、昵懇じっこん

仍・・・よって

(意味)それによって、そういうわけで

 (備考)本題に入るときにこれが来る。また「仍状件如(よってじょうくだんのごとし)」など、文章の最後に来る決まり文句にも用いられる

仍如件、仍状如件・・・よってくだんのごとし・よってじょうくだんのごとし

(意味)「前記の通りである」といった意味。

 (備考)制札や目下の者に対してよく用いられるいわば決まり文句。

仍執達如件・・・よってしったつくだんのごとし

(意味)「以上が〇〇様の御意向である」という意味。

関連記事:戦国時代の外交文書のルールとしきたり ポイントは礼儀の厚薄にあり

自、従、依・・・より

(意味)~から、~以来

 (備考)所謂返読文字として登場することが多いため、語順を考えて読む必要がある。
「自是可申述事、」ならば”これよりもうしのぶべきこと”となる。
例文)

風呂破損之間、今日加修理者也、
 (風呂破損の間、今日より修理を加うるものなり。)
   『大乗院寺社雑事記(応仁二年閏十月一日条より抜粋)』

無拠、無據・・・よんどころなく

(意味)仕方なく、やむを得ず

「ら」行

礼紙・・・らいし

(意味)文書が書かれた本紙に対して、本紙の裏側に添えた白紙のこと。

 (備考)書状には本紙のほかに礼紙や懸紙(かけがみ)を添えることがある。
礼紙は本紙の下(裏の部分)に本紙と同じ紙を一枚または数枚重ねるものである。
先方に敬意を示すために用いるが、時には返信用に使用されたり、そこに追而書(おってがき=追伸部分)が記される場合もある。
室町時代になると、一枚の紙を本紙・礼紙・懸紙と三部分に切断して使用することもあった。

落居・落去・・・らっきょ

(意味)
①落城すること。
②訴訟などが結審し、裁定がなされること

被・・・られ・らる・~なされ・~なさる

(意味)~なさる(敬語)受動態の場合もある

 (備考)古文書では非常によく出る表現。
「可被申上候、」ならば”もうしあげらるべくそうろう”となる。

乱妨・・・らんぼう

(意味)人に対して乱暴すること。

 (備考)禁制(きんぜい)などではよく出る表現。
物に対する乱暴は”狼藉(ろうぜき)“とする傾向にある。

理運・利運・・・りうん

(意味)理にかなっていること。正当性

利平・・・りへい

(意味)利息のこと

了簡・・・りょうけん

(意味)考え

聊爾・・・りょうじ

(意味)軽率なこと。軽々しい行動のこと。ぶしつけなこと。
あるいはいい加減なことを指す。

綸旨・・・りんじ

(意味)蔵人や近臣が勅旨を受けて紙屋紙こうやがみに書いて出した文書。
奉書(ほうしょ)御教書(みぎょうしょ)の一種。
多く宿紙を用いた。
もともとは天皇の意思という意味だったが、十一世紀ごろから勅命を伝える一つの文書様式を示す語として用いられた。

 (備考)天皇の意思を伝えるその他の文書形式(詔勅(しょうちょく)・宣旨(せんし)など)に比べ、上卿(しょうけい)を通さず簡単な手続きで、個々の武士団を含め幅広い相手に発給することができた。
そのため、初期はおもに諮問や祈祷命令などの私的な事柄に利用されていたが、やがて訴訟・所領問題などの幅広い用途に使用されるようになった。
ことに後醍醐天皇は天皇権力の強化をはかり、綸旨を多用した。
その様子は「此比このごろ都ニハヤル物、夜討・強盗・にせ綸旨」『二条河原落書』と風刺されている。
参照『史料を読み解く1 中世文書の流れ(山川出版社)』・『花押・印章図典(吉川弘文館)』・『室町・戦国時代の法の世界(吉川弘文館)』

流落・・・るらく

(意味)落ちぶれて各所を放浪すること。流浪すること。

今のところなし。出てきましたらこっそり追加します。

狼藉・・・ろうぜき

(意味)物に対して乱暴すること。

 (備考)禁制(きんぜい)などではよく出る表現。人に対する乱暴は”乱妨(らんぼう)“とする傾向にある。

論所・・・ろんしょ

(備考)訴訟などで問題となっている係争地

「わ」行

脇付・・・わきづけ

(意味)書状で宛名の左下に書き添えて敬意を表す語。
書札礼(しょさつれい)の上では厚礼なものとされた。

 (備考)
「参(まいる)」・「人々御中(ひとびとおんちゅう)」・「 侍史 (じし)」・「机下(きか)」・「御宿所(みしゅくしょ)」などの類。
返書には「尊答(そんとう)」・「貴酬(きしゅう)」などがよく用いられた。

態・態与・・・わざと

(意味)わざと折り入って、わざわざ、特に思い立って

 (備考)事改まって言上する意で、書状の冒頭に用いられる傾向にある。
「態々」でわざわざ

態令啓候・態令啓達候・・・わざとけいせしめそうろう・わざとけいたつせしめそうろう

(意味)「こちら側で使者を立てました。」
あるいは「取り立ててお手紙を差し上げます」
といった意味。

 (備考)いわゆる「令(せしめ)」が返読文字となっているため「態と啓せしめ候」となる。
“わざと”は一見するとおしつけがましい語感に感じるが、かつては書簡がすぐに届かず、また必ずしも相手方に届くわけではなかった。

蟠・・・わだかまる、わだかまり

(意味)うまくことが運ばず滞る、心の中につっかえたような

詫言・・・わびごと

(意味)謝罪・降伏を指す表現。

我等式・・・われらしき

(意味)我々程度の者、我らふぜい。

 (備考)謙譲語として用いられる傾向にある。

なし(などは現代的仮名遣いで記している)

无・畢・訖・・・ん・おわんぬ

(意味) 古来から日本では発音しなかったものだが、大陸から漢字が入ったことにより、用いられるようになった。

 (備考)


一、楽市、楽座たる上ハ、諸役令免許
 (一、楽市・楽座たる上は、諸役免許せしめおわんぬ)

   『善立寺文書(元亀三年九月日付織田信長朱印状)』
  1. 「あ」~「こ」
  2. 「さ」~「と」
  3. 「な」~「ほ」
  4. 「ま」~「ん」 イマココ
  5. 古文書解読の基本的な事 返読文字によくある傾向を実際の古文書を例に説明

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