![【滋賀旅行のすゝめ】湖西の歴史ある名所を「近江八景の図」から紹介](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/014_top01.jpg)
![来世ちゃん](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2019/08/fukidashi_raisetyan002.png)
みなさんこんばんは~。
今回は「近江八景の図」にある歴史ある寺や町をご紹介します。
湖西の旅行にお役立て頂ければと思います。
- 歴史ある滋賀県に行きたい
- 関西の旅行を検討中
- 近江八景という古文書にある和歌を見たい
近江八景の図の由来
近江八景は滋賀県の素晴らしい風景から8つ厳選した風景評価の一つ。
中国の「瀟湘八景図」になぞらえて、近江の湖東から8ヶ所の名所を選んだものである。
![近江八景の図](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei002.jpg)
近江八景自体は戦国時代~江戸初期にかけて選定されたという説が有力。
以後、さまざまな「近江八景の図」が出版され、江戸後期には浮世絵師の歌川広重も近江八景を描いた。
![近江八景の図03](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei004.jpg)
![近江八景の図02](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei003.jpg)
新型コロナウイルスの影響で観光客は激減している現在、逆に安く旅ができる好機かもしれない。
今は特に梅が盛りの季節なので、これから紹介する名所はすべてオススメの絶景ポイントだ。
ただ、時期が時期なのであくまで自己責任で(^^;)
石山寺(石山秋月)
石山寺は大津市にある東寺真言宗の寺。
最寄り駅はJR石山駅で、瀬田川の右岸にある。
本堂は国の天然記念物の珪灰石という巨大な岩盤の上に建ち、これが寺名の由来ともなっている。
蜻蛉日記、更級日記、枕草子、源氏物語など数多くの文学作品にも登場し、古来より観光スポットとして定評があった。
「近江八景」の1つ「石山秋月」でも知られる。
![近江八景石山秋月](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_ishiyama001.jpg)
![近江八景石山寺](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_ishiyama002.jpg)
いし山や
尓本のうみてる
月可けハ
阿可しも春まも
外奈らぬ可盤
(石山や 鳰(にお)の湖てる 月影は 明石も須磨も 外ならぬかは)
参拝時間と交通アクセス
午前8時~午後4時30分(最終入山は午後4時)
一般(中学生以上)600円
小学生以下250円
JR京都駅からJR石山駅まで新快速で約13分
瀬田(勢多の夕照)
滋賀県大津市の瀬田川に架かる大きな橋のこと。
古くから勢多の唐橋といわれ、観光の名所だった。
![近江八景 勢多の唐橋](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_seta003.jpg)
京都の宇治橋、山崎橋とならんで日本三大橋の一つとして有名。
古来より京の都へ繋がる重要な地で、多くの戦火に見舞われた。
本能寺の変の際も、明智光秀に敵対した当時の勢多城主・山岡景隆は勢多の橋を焼き落として敵の進軍を遅らせた。
「急がば回れ」ということわざの由来は、室町時代の連歌師・宗長の歌の
宗長 (醒睡笑)
武士のやばせのわたりちかくともいそかはまはれ瀬田の長はし
(もののふの 矢橋の渡り 近くとも 急がば回れ 瀬田の長橋)
矢橋(やばせ)の港から舟で京都へ向かう方が速いけれども、天候や強風などで危険を伴う時もある。
ゆえに、少々遠回りではあるが、瀬田の長橋を通った方が良い
というわけだ。
![急がば回れの語源](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_seta004.jpg)
![近江八景勢多の夕照](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_seta001.jpg)
![近江八景勢多の夕照](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_seta002-1.jpg)
露し具連
もりやまと於く
す起ゝつゝ
夕日の王多る
勢多乃奈可者し
(露時雨 守山遠く 過ぎ来つつ 夕日の渡る 瀬田の長橋)
観光時間と交通アクセス
いつでも無料で行ける
京阪電鉄石山坂本線:「唐橋前駅」 下車 徒歩5分
JR琵琶湖線:「石山駅」下車 徒歩16分
お車:名神瀬田西・東ICから5分
粟津(粟津晴嵐)
歌川広重は粟津を粟津晴嵐(あわづのせいらん)と紹介している。
晴嵐とは晴れた日に山に立つ霞(かすみ)のこと。
恐らく晴れた日の粟津からは、風が遠く比叡の山から湖上に吹き抜け、松林を揺らしてしたのだろう。
![近江粟津](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_awadu003.jpg)
![近江八景粟津晴嵐](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_awadu001.jpg)
![近江八景粟津](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_awadu002.jpg)
雲八らふ
あらし尓徒礼天
もゝふねも
千舟も浪の
阿王つ尓ぞよ類
(雲払う 嵐につれて 藻も舟も 千舟も波の 遭わず(粟津)にぞよる)
観光時間と交通アクセス
いつでも無料で行ける
京阪電鉄石山坂本線:「粟津駅」が最寄り駅
JRの場合はJR琵琶湖線「石山駅」が最寄り駅
三井寺(三井晩鐘)
三井寺は園城寺ともいい、天台寺門宗の総本山。
三井とは、天智、天武、持統の三帝が産湯に用いた霊泉があることに由来している。
古来からここを訪れる人々が多く、観光地として賑わっていた。
三井の晩鐘とは、やはり三井寺から聞こえる夕方に鳴り響く入相の鐘のことだろう。
![近江八景三井晩鐘](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_miidera001.jpg)
![近江八景三井寺](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_miidera002.jpg)
おもふその
あ可徒き遅起(る?)
者しめそと
まつきく三井の
入あひ乃可年
(思うその 暁ちぎる(?) はじめぞと まず聞く三井の 入相の鐘)
参拝時間と交通アクセス
午前8時~午後5時
指定文化財収蔵庫は午前8時30分~午後4時30分(受付終了は午後4時)
年中無休
大人600円
中高生300円
小学生200円
京阪石山坂本線「三井寺駅」より徒歩10分
JR琵琶湖線「大津駅」→京阪バス三井寺下車
お車の場合は名神高速道路 大津I.Cより湖岸道路経由で約10分、または国道1号線より国道161号線経由で約10分。
唐崎神社(唐崎夜雨)
唐崎神社は大津市にある日吉大社の摂社の一つ。
かつては女性の持統天皇の創建とされ、女別当社と呼ばれて多くの参拝客で賑わった。
![唐崎の松](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_karasaki003.jpg)
境内の「唐崎の松」は有名。
歌川広重の「唐崎夜雨(からさきのやう)」として知られている。
![近江八景唐崎夜雨](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_karasaki001.jpg)
![近江八景唐崎](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_karasaki002.jpg)
よる能雨に
音を遊徒りて
夕風を
与楚尓奈たつる
からさきの松
(夜の雨に 音を譲りて 夕風を 他所に名立つる 唐崎の松)
参拝時間と交通アクセス
午前10時~午後4時(休日不明)
どなたでも無料
JR湖西線「唐崎駅」より徒歩15分
京阪石山坂本線「浜大津駅」→バスで「唐崎停留所」まで15分
矢橋(矢橋帰帆)
東海道と中山道の分岐点である草津の港町として栄えた。
歌川広重は矢橋帰帆(やばせのきはん)という名で紹介している。
![近江矢橋](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_yabase003.jpg)
![近江八景の図02](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei003.jpg)
矢橋は急がば回れの回らない方。
中世の時代は港町として大いに栄えたが、明治時代になると鉄道が交通の主流となり、急速に衰えていった。
![近江八景矢橋帰帆](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_yabase001.jpg)
![近江八景矢橋の港](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_yabase002.jpg)
満遠ひきて
や者せに
帰るふ年ハいま
うち出乃者まを
あとの追可せ
(真帆(?)ひきて 矢橋に帰る 舟はいま 打ち出の浜を あとの追い風)
観光時間と交通アクセス
近くに矢橋帰帆島公園がある。
いつでも無料で行ける。
JR東海道本線「南草津駅」より近江バスイオンモール線「矢橋停車場」下車 徒歩約10分
お車の場合は名神高速道路瀬田西IC、または草津田上ICより約15分。
大駐車場あり(無料)
堅田の浦 浮御堂(堅田落雁)
堅田の浦は琵琶湖をぐるっと西に周り、坂本を越えた先にある。
「浦」なので、ここもかつては港町として栄えていた。
戦国時代は堅田衆という水軍が、琵琶湖の覇権を握っていた時期もあった。
![浮御堂から見た琵琶湖](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_katada003.jpg)
浮御堂(うきみどう)は臨済宗大徳寺派海門山満月寺にある湖上に突き出た仏堂のこと。
堅田落雁は(かただのらくがん)と読む。
![満月寺](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_katada004.jpg)
また、堅田は明智光秀の領地だったことから、もしかすると2020年は何かイベントが行われるかもしれない。
![近江八景堅田落雁](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_katada001.jpg)
![近江八景堅田](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_katada002.jpg)
ミねあま太
こゑ天越路尓
さ起ち可起
か多ゝに奈ひき
落つる雁可年
(峰数多 越えて越え路の 先(?)近き 堅田になびき 落つるかりがね)
参拝時間と交通アクセス
満月寺浮御堂は午前8時~午後5時
拝観料300円(詳細不明)
JR湖西線「堅田駅」→バスで「堅田出町停車場」下車 徒歩5分
(土・休日は「浮御堂前」までのバスあり)
お車の場合は湖西道路真野ICから約10分
駐車場25台
比良山(比良暮雪)
琵琶湖西岸に位置する武奈ヶ岳(標高1214m)などがある比良山地。
現在は登山道やスキー場としても有名。
![比良山地](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_mt_hira003.jpg)
日本海から吹く強い北風で積雪が多く、琵琶湖岸に吹き降ろす強風を比良おろしと呼ばれている。
武奈ヶ岳付近の稜線は、樹木が生育しないため近畿地方では屈指の眺望が得られる。
![近江八景比良暮雪](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_mt_hira001.jpg)
![近江八景比良山地](http://raisoku.com/wp-content/uploads/2020/03/oumihakkei_mt_hira002.jpg)
ゆき者るゝ
飛らの堂可年能
夕く連ハ
者奈乃さ可りに
春くるころ可那
(雪晴るる 比良の高嶺の 夕暮れは 花の盛りに 優る頃かな)
観光時間と交通アクセス
いつでも無料で行けるが、山なので朝から行かないと大変なことになる。
JR湖西線「比良駅」、「志賀駅」、「和邇駅」から主に3つの登山ルートがある。
日本で二番目に高い山として有名な天保山を踏破した私なら余裕だが、険しい山のため、それなりの装備で臨んだ方が良いだろう。
お車の場合は志賀バイパス比良ランプ下車3分
駐車場650台
さいごに
全て湖西だから比良山以外は一日で周れる。
比良山は堅田から峰々を眺めるに留めた方が良いかもしれない。
どこかで宿をとって二日にかけて観光するのもあり。
疫病の影響で宿側も歓迎してくれるだろう。
何があっても自己責任で・・・(^-^;
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