こんばんは~。
今日は日本の干支についてです。
2020年は子年(ねどし)ですが、本来は「庚子(かのえね)」の年です。
聞いたはありますか?^^
今回はそんな暦の秘密についてわかりやすくご説明します。
干支60通りそれぞれの意味は下記の記事です。
- 十二支の他に十干があると聞いて
- 干支って運勢を占うだけじゃかったの?
- 十二支より十干のほうが大事ってマジか
- じゃあ鬼門・裏鬼門も中国からきたの?
- 干支の求め方を教えろ
- 干支それぞれの意味とは?
干支は十二支だけを指すわけではない
今年は言うまでもなく子年(ネズミ年)である。
これは十二支の一つとして現在でも広く用いられている干支だが、古来より日本では十二支だけが暦(こよみ)というわけではなかった。
十二支とは子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)である。
お昼を正午というのは、午(うま)の刻というところからきている。
この十二支のほかに、十干(じっかん)というものが存在する。
十干は甲(こう・きのえ)、乙(おつ・きのと)、丙(へい・ひのえ)、丁(てい・ひのと)、戊(ぼ・つちのえ)、己(き・つちのと)、庚(こう・かのえ)、辛(しん・かのと)、壬(じん・みずのえ)、癸(き・みずのと)の10種類である。
「甲乙丙丁・・・はここからきているんですね」
本来の干支は十二支と十干を組み合わせたもの
日本ではこの十干(10種類)と、十二支(12種類)を組み合わせて干支と呼んでいた。
10種類×12種類で120になるが、干支はその半数の60パターンとなる。
その関係で、甲寅(きのえとら)はあっても乙寅(きのととら)はなく、乙卯(きのとう)はあっても甲卯(きのえう)はない。
「う~ん、難しい;;」
少しややこしいので、この表をご覧いただきたい。
これはwikipediaに載っている干支の60周期の表だ。
甲子(きのえね)の年からはじまり、60年で一回りする。
なので、60歳が還暦と呼ばれている。
暦(こよみ)が還(かえ)るという意味である。
暦の順序を説明すると
十干の「甲(きのえ)」が再びめぐりくるのが10年後。
十二支の「子(ね)」が再びめぐりくるのが12年後になる。
十干は「甲(きのえ)」から数え、
乙→丙→丁→戊→己・・・と続く。
十二支は「子(ね)」から数え、
丑→寅→卯→辰→巳・・・といった感じだ。
つまり、上記の表は0時から反時計回りに読むのだ。
干支を順番通りに表すとこんな感じになる。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
甲子 | 乙丑 | 丙寅 | 丁卯 | 戊辰 | 己巳 |
きのえね | きのとうし | ひのえとら | ひのとう | つちのえたつ | つちのとみ |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
庚午 | 辛未 | 壬申 | 癸酉 | 甲戌 | 乙亥 |
かのえうま | かのとひつじ | みずのえさる | みずのととり | きのえいぬ | きのとい |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
丙子 | 丁丑 | 戊寅 | 己卯 | 庚辰 | 辛巳 |
ひのえね | ひのとうし | つちのえとら | つちのとう | かのえたつ | かのとみ |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
壬午 | 癸未 | 甲申 | 乙酉 | 丙戌 | 丁亥 |
みずのえうま | みずのとひつじ | きのえさる | きのととり | ひのえいぬ | ひのとい |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
戊子 | 己丑 | 庚寅 | 辛卯 | 壬辰 | 癸巳 |
つちのえね | つちのとうし | かのえとら | かのとう | みずのえたつ | みずのとみ |
31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 |
甲午 | 乙未 | 丙申 | 丁酉 | 戊戌 | 己亥 |
きのえうま | きのとひつじ | ひのえさる | ひのととり | つちのえいぬ | つちのとい |
37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 |
庚子 | 辛丑 | 壬寅 | 癸卯 | 甲辰 | 乙巳 |
かのえね | かのとうし | みずのえとら | みずのとう | きのえたつ | きのとみ |
43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 |
丙午 | 丁未 | 戊申 | 己酉 | 庚戌 | 辛亥 |
ひのえうま | ひのとひつじ | つちのえさる | つちのととり | かのえいぬ | かのとい |
49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 |
壬子 | 癸丑 | 甲寅 | 乙卯 | 丙辰 | 丁巳 |
みずのえね | みずのとうし | きのえとら | きのとう | ひのえたつ | ひのとみ |
55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 |
戊午 | 己未 | 庚申 | 辛酉 | 壬戌 | 癸亥 |
つちのえうま | つちのとひつじ | かのえさる | かのととり | みずのえいぬ | みずのとい |
最近有名になりだした話で、大正13年(1924)に東洋一の規模を誇る多目的運動場として建設された阪神甲子園球場がある。
甲子園の名の由来は、建設された年の「甲子(きのえね)」年からとったものである。
干支は運勢を占うのみにあらず
人類が狩りをしていた太古の時代から、農耕によって食糧を蓄えることができるようになった。
数万年という悠久の時を経て、人類は歴史、経験にもとづいた計画性が生まれた。
また、持つ者持たざる者が明確になっていき、指導者が誕生し、やがて文明が生まれた。
人類の歴史は災害と戦争の歴史でもある。
年ごとに生産計画とそれに伴う易学が生まれた。
そう、元々占いとは人類が生み出した経験哲学なのである。
サー・アーサー・チャールズ・クラーク
星占いなんて信じない。私は射手座だから疑り深いのだ
“I don’t believe in astrology; I’m a Sagittarius and we’re skeptical.”
元々の占いは占星術をもとにしている。
不思議なことにアフリカも中東も西洋も東洋もそこは一致している。
干支もそうした占星術から生まれ、突き詰めて考えれば経験に基づいた暦の学問なのだ。
十二支より十干のほうが大事
しかしながら、経験にもとづいた学問だからといって、鵜呑みにはできないだろう。
どうぶつ占いでいう「コアラはこんな性格!」
を本気で信用する人が少ないのと同じである。
干支を12パターンに大幅短縮し、「丑(ウシ)年生まれはこんな性格!」
が当たらないのも、うわべだけの知識だからなのかもしれない。
それもそのはず。
干支は十二支よりも十干(じっかん)の方が大事で
「干」は根幹で生命・エネルギーの内外対応の原理「挑戦」に対する「反応」の原理を十種類に分類したもの。
「支」は枝葉で生命・細胞の分裂から次第に生体を組織・構成して成長、やがて老衰して破算になり元の細胞・核に還る、生命の一連の流れを十二に分けたもの。
つまり、十二支が枝であり、十干が幹となる。
江戸時代からの名残で現在は十二支ばかりが重要視されているが、実は「庚(かのえ)年」や「甲(きのえ)年」といった幹(みき)のほうが重要なのだ。
今年は令和2年(2020)。
干支は「庚子(かのえね)」である。
先に述べた表でいうと、37番目の干支となる。
庚子の特徴としては、穀物を臼でつき続けると変化していくことから継続と変化。
そして、「庚」の字から償いという意味もあるようだ。
鬼門・裏鬼門の由来
鬼門(きもん)という概念はどうも日本独自の文化のようだ。
鬼門とは何をするにも避けねばならない北東の方角となる。
裏鬼門とは南西の方角。
北東と南西は陰陽の狭間で不安定になるとされ、裏鬼門も鬼門とセットで不吉な方角といわれている。
もともと鬼とは霊体を指している。
つまりお化けだ。
なぜ鬼のイメージが角を生やした妖怪となったのか。
それは鬼門となる北東の方角である「丑寅(うしとら)」にある。
牛のように角を生やし、虎のように恐ろしいということだろう。
日本が平安京に遷都した際、鬼門となる北東に比叡山延暦寺を、裏鬼門となる南西には石清水八幡宮を置いたのも、そうしたことからである。
どの文明でも宗教関連施設が魔除けになるということは概ね共通しているようだ。
また、お城に巽櫓というのがあるが、その多くは城の南東に位置している。
辰巳角だからだ。
一説には舟の操縦で
右に進路を変える際は「面舵(おもかじ)」、
左に進路を変更する際には「取舵(とりかじ)」」
と表現するが、これは
「卯面梶(=卯はウサギ、つまり右)」、
「酉梶(=酉は鳥、つまり左)」
からきているらしい。
干支の算出方法
干支の算出方法は複数ある。
私はこの方法が一番わかりやすいと思ったので以下のように紹介するが、他にもwikipedia等に載っている方法も存在する。
7をプラスしたり、9をプラスしているのは表と整合性が取れるように調整したもの。
十干の算出方法
十干(じっかん)は、
(西暦+7)÷10の余り
下記の表から参照していただいて
余りの 数字 | 十干 (じっかん) | 読み |
1 | 甲 | きのえ |
2 | 乙 | きのと |
3 | 丙 | ひのえ |
4 | 丁 | ひのと |
5 | 戊 | つちのえ |
6 | 己 | つちのと |
7 | 庚 | かのえ |
8 | 辛 | かのと |
9 | 壬 | みずのえ |
0 | 癸 | みずのと |
例えば
令和2年(2020)の場合は
(2020+7)÷10=202.7 7なので庚(かのえ)
令和3年(2021)の場合は
(2021+7)÷10=202.8 8なので辛(かのと)
天武天皇元年(672)の場合は
(672+7)÷10=67.9 9なので壬(みずのえ)
天正10年(1582)の場合は
(1582+7)÷10=158.9 9なので壬(みずのえ)
となる。
十二支の算出方法
十二支は、
(西暦+9)÷12の余り
下記の表から参照していただいて
余りの 数字 | 十二支 | 読み |
1 | 子 | ね |
2 | 丑 | うし |
3 | 寅 | とら |
4 | 卯 | う |
5 | 辰 | たつ |
6 | 巳 | み |
7 | 午 | うま |
8 | 未 | ひつじ |
9 | 申 | さる |
10 | 酉 | とり |
11 | 戌 | いぬ |
0 | 亥 | い |
例えば
令和2年(2020)の場合は
(2020+9)÷12=169.08 四捨五入して169.1=1 子(ね)
令和3年(2021)の場合は
(2021+9)÷12=169.16 四捨五入して169.2=2 丑(うし)
天武天皇元年(672)の場合は
(672+9)÷12=56.75 四捨五入して56.8=8 未(ひつじ)
天正10年(1582)の場合は
(1582+9)÷12=132.58 四捨五入して132.6=6 巳(み)
となる。
※太陰暦を用いていた時代の十二支は、数え年の関係でこれに+1される。
つまり、天武天皇元年(672)は未の次となり「申(さる)」。
さきほどの十干が「壬(みずのえ)」なので、壬申(みずのえさる)年となる。
その年に起きた壬申の乱で有名な年だ。
天正10年(1582)は巳の次となり、「午(うま)」。
さきほどの十干が「壬(みずのえ)」なので、壬午(みずのえうま)年となる。
その年に起きた本能寺の変、徳川・北条・上杉が甲信越で覇を争った天正壬午の乱で有名な年だ。
コメント
I love what you guys tend to be up too. This sort of clever
work and reporting! Keep up the fantastic works guys I’ve added you guys to
my blogroll.